融資の種類と保証人
2つの融資とその仕組み
金融機関に融資の申込みをする場合、大きく分けて「保証協会保証付き融資」と「プロパー融資」の2種類に分けられます。
保証協会保証付き融資
万が一、借主の返済が滞った場合、借主に代わって、信用保証協会が金融機関に「立替払い」を行います。そのため借主は、金融機関に支払う利息以外に、保証協会に対して「保証料」を支払う必要があります。
この融資のメリットとして、「原則として、法人代表者以外の連帯保証人は必要ない」点が挙げられます。
保証協会保証付きとプロパー融資
保証協会保証付き融資の種類については、「無担保保証融資」と「有担保保証融資」に大別されます。
また、責任共有割合の「あり」「なし」についても分かれています。
責任共有割合「あり」の場合、金融機関責任共有部分は「金融機関プロパー融資」に属することになります。
「金融機関プロパー融資」は、「保証協会保証付き融資以外」と「保証協会保証付きにおける責任共有割合融資の金融機関責任共有部分」を指すことになります。
事業資金の主な調達方法と種類
- ※1条件外担保に注意 制度融資|無担保保証|有担保保証
- ※2平成19年10月1日以降、「責任共有制度」が導入され、
従来の保証協会100%保証だけでなく、金融機関の責任割合保証(プロパー部分)が創設された。
保証と保証人
保証とは、債権者との間で、債務者が借入金を返せなくなった時に債務者に代わって返済することを意味します。
債権者としては、債務者に不測の自体が生じて債務の弁済を履行できなくなった時、債務の弁済を保証人に請求・履行させることで、債権保全を図る意味があります。
保証人を立てるメリット・デメリット
保証の種類は下記の2種類があります。
- ①単純保証:催告の抗弁権あり/検索の抗弁権あり
- ②連帯保証:催告の抗弁権なし/検索の抗弁権なし
では、上記2種類の保証の違いは何なのでしょうか。
それは、「(あ)催告の抗弁権」と「(い)検索の抗弁権」の有無です。
(あ)催告の抗弁権
民法452条に規定されるもので、
「保証人に弁済請求する前に債務者の財産に請求するよう」に言える権利
(い)検索の抗弁権
民法第453条に規定されているもので、
「保証人に弁済請求する前に債務者の財産を先に請求するよう」に言える権利
※通常「保証」と言えば、一般的には「連帯保証」を指すことが多いです。
保証人の変更・脱退は可能か
企業が金融機関から借入を行っている場合、その借入金について代表者は連帯保証人になっていることが一般的です。
では、複数名で連帯保証人となっている場合、連帯保証人の変更・脱退は可能なのでしょうか?
連帯保証人となっている場合、
- ①会社の退職をもって、当然にして保証人の変更・脱退できません。
⇒当該金融機関の同意により変更・脱退が可能となります。
では、同意なしで連帯保証人を外れる方法はないのでしょうか?
- ②当該借入金の全額返済をもって当然に連帯保証人から外れることができます。
- ③連帯保証人となっている借入金の借換により連帯保証人から外れる可能性もあります。
以上をまとめると、連帯保証人から外れる場合の方法としては、
- (a)金融機関の同意をもって外れる
- (b)当該借入金の完済をもって外れる
- (c)借換など新たな契約にすることで、連帯保証人の変更を行う
以上の方法が挙げられます。